現在の〝普天間飛行場(476ha)〟は、名護市辺野古への移設後、返還が予定されています。その他、嘉手納飛行場以南の〝牧港補給地区(268ha)〟〝那覇港湾施設(56ha)〟〝キャンプ桑江(68ha)〟〝キャンプ瑞慶覧〟など米軍施設約1,048haを超える土地の返還が予定されています。
平成24年日本復帰40周年記念事業「沖縄の新たな発展につなげる大規模基地返還跡地利用計画提案コンペ」(主催:沖縄県)において、大成建設、株式会社ライトレール(交通コンサルタント)とともに〝トラム&グリーン・リンケージ沖縄21〟のメンバーとして参加させて頂き、お陰様で〝最優秀賞〟受賞しました。
その時のコンペ案「万国津梁の島(くに)-新しい沖縄の実現」について、振り返るとともに、社会情勢の変化も踏まえて、改めて沖縄の行く末を、再度考えて行きたいと思います。
当初の『万国津梁の島(くに) 新沖縄の実現』の案、以下に掲載します。
〝世界に誇れる豊かな島・沖縄〟
『万国津梁の島(くに)・新沖縄』を実現するための3つのネットワーク
ー現状認識ー
沖縄経済の自立に向けて ・第3次産業中心の産業構造の改善 ・雇用機会を創出し、失業率の低減 ・付加価値産業振興と県民所得向上 | 中南部都市圏環境改善 ・過度の自動車依存からの脱却 ・那覇一極集中の改善 ・基地による街分断と密集市街地の解消 ・都市内緑地空間の回復・充実 ・エネルギー自給率の向上 | 沖縄のポテンシャル ・琉球王朝固有の交易文化 ・東アジアの地理的重心 ・都市部の広大な基地跡地の活用 ・那覇空港の拡充、国際物流ハブ化 ・日本の数少ない人口増加地域 |
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基地跡地の立地コンテクスト(地域特性など)を活かし、グローバルな交流を展開する4つの都市拠点の連携とそれらをつなぐ公共交通及び環境ネットワークを整備します。
そして、都市圏を再編し緑豊かな国際競争力のある、自立する〝万国津梁の島・新沖縄〟を実現します。
都市ネットワーク
特徴ある都市機能を連携させながら都市圏を多極化し、ダイナミックな交流を促します
◯各基地跡地の特性を活かした4つの都市拠点が相互に連携し交流を促進
◯広域政策中枢を普天間に集約し“自立する沖縄”を象徴
◯地権者ニーズや社会経済情勢を鑑み、計画的かつ柔軟な土地利用計画を推進
交通ネットワーク
沖縄の顔となるLRTを軸に公共交通体系を再構築し、都市間を利便性高く結びます
◯国道58号線を活用した鉄軌道の早期実現と既存公共交通ネットワークとの連携強化
◯最先端テクノロジーと高頻度ダイヤによる利便性の向上
◯フィーダー輸送の充実により公共交通利用を促進
環境ネットワーク
都市内に大中小の様々な環境の仕組みを導入し、郷土性豊かな環境都市を形成します
◯大規模な緑地、LRT沿線の緑、都市内の緑をつなぐ緑のコリドー(回廊)を創出
◯地理的特性、歴史風土を活かし、最先端の亜熱帯環境都市を形成
◯沖縄の気候風土に合ったパッシブで自立的なエコ・スマートコミュニティを構築